
<参加作家>
林 武史 / 石井 琢郎 / 宮原 嵩広 / 名倉 達了 /
「戯け(たわけ)」とは愚かな振る舞いやどこかふざけた様子をあらわす東海地方の方言で、ネガティブな物事を笑い飛ばすニュアンスを含みます。
私たちはこうした人の懐の深さ、人と人がつながり戯れることが、ポストコロナの時代のアートに必要とされる道標のひとつではないかと考えています。
約3年にわたる新型コロナ感染症の状況下 で、私たちは何に苦しみ、悩み、問題意識を持ち、そして何を学び未来へ進もうとしているのか、多くのアーティストが思案し、次なる展開を模索しています。
それは同じ時代を生きるすべての人に共通する日常的な想いではないでしょうか。
「戯け」をキーワードにして、社会が抱える問題から目をそらさず、距離を保ちながらも行動し、関係性を育むことで企画の実現を目指します。
<文化財未満の旧櫻井邸という場>
展覧会場となる美濃加茂市旧櫻井邸は、大正5年から3年かけ施主:村長である櫻井福太郎によって建築された、木造瓦葺2階建、約380㎡に及ぶ、築100年を超えた建物であり、建物の特徴や凝った装飾彫刻(富士山と松、橋と舟)が施されており、登録はされていないものの登録有形文化財と同等の価値、要件を満たしている建物といわれています。
また、旧櫻井邸がある美濃加茂市伊深は小さい集落ながらも正眼寺をはじめとする多くの神社仏閣が存在し、歴史的に木曽・木曽川や中山道といった人が行き交う場所であったことが伺える地域です。
文化財と同等でありながら未登録なので、文化財では展開できないような、作品とその展開が期待できます。

